読書力 岩波新書 / 斎藤孝 (著)

読書力 (岩波新書)
『読書力』(ISBN:4004308011)を読了する。この本では「本を読むこと」の本質的な意味を説いている。ここでの読書は、精神的緊張を伴う読書をいい、自己形成の糧となるべきものとしている。推理小説SF小説の類の娯楽のための読書は含まない。それは乳歯の読書なのだそうだ。その次の段階の永久歯の読書への移行期には、太宰治坂口安吾井上靖、ヘッセなどを薦めている。なかなかいいところをついていると思う。私は、本は楽しく読めばいいと思うが、筆者の熱い思いは強く伝わってきて、いっきに読んでしまった。
巻末の『文庫百選「読書力」おすすめブックリスト』は、いくつかは既に読んだものを含まれているが参考になると思う。
しかし、この本でもっとも訴求すべき「読書習慣のない人」は、岩波新書には手を伸ばさないと思うがいかがだろうか。