翻訳とは何か―職業としての翻訳 / 山岡洋一 (著)

翻訳とは何か―職業としての翻訳
『翻訳とは何か―職業としての翻訳』(ASIN:4816916830)を読了する。単なる職業ガイドではなく、翻訳を総合的に捉えて正面から論じた本格的な書物である。筆者は当代一流の翻訳家であり、Amazonで著者の名前で検索すると、その膨大な翻訳書に驚くだろう。
ここで述べられているのは、結局は翻訳はエリートの職業ということだろうか。翻訳を志望するものは、これを読んであきらめるか、それでも翻訳の道に邁進するか、いずれにしても安易にこの分野に参入しようとする人たちへの警鐘となるだろう。本書は得るところが多いのだが、とくに印象に残ったのは、次の箇所だ。

「職業としての翻訳」という副題は、ウェーバーの著書名*1からの引用であろうか。

*1:『職業としての政治』、『職業としての学問』