増村保造―意志としてのエロス / リュミエール叢書(ISBN:4480871748)

増村保造―意志としてのエロス』(山根貞男 著)を読了する。大映出身の映画監督・増村保造*1に関する評論である。この本では、増村監督の作品に次々に考察を加えていくので、それを追従していくには、作品をあらかじめ鑑賞していることが前提であろう。私は大映時代の主要な作品は若尾文子絡み*2ということもあり随分観ているが、独立後の作品*3はあまり観ていない。この本を読み進めていくと、未見の作品についてもネタバレしているので、観る前に本書を読んだのは失敗したかなとも思う。大映倒産後の作品は版権の関係か名画座で上映される機会が少ないようだが、機会を見つけて後期の作品も観てみたい。
今回は図書館から借用だったが、たいへん気に入ったので購入しようと思ったが、どうも入手困難なようだなので残念だ。表紙カバーは『妻は告白する』の撮影スナップで、その他にも写真が豊富なので手元に置いておきたいところだ。

*1:フィルモグラフィ: http://www.jmdb.ne.jp/person/p0243710.htm

*2:若尾文子増村保造監督作品への出演は計19本。増村作品の総数は57本であるから、1/3は出演していることになる。しかも、大映時代1957-69年に集中している。

*3:大地の子守唄』、『曽根崎心中』など。