大塚国際美術館

徳島の大塚国際美術館を訪れる。「オロナミンC」でお馴染みに大塚グループがスポンサーの美術館だが、展示作品はセラミック・アートによる模造品なので、テーマパークと言ったほうが適切かもしれない。セラミック板には大きさに制限があるので、大きな絵画は複数の板で構成されるため、どうしても、その境界に「めじ」ができる。それが多少気になるが、照明に気をつければそれなりに楽しめる。
展示内容は、西洋絵画全般にわたり、古代から現代にわたり幅広い作品が取り上げられているが、キリスト教関連の宗教画が手厚いように感じた。とくに、興味深いのは「環境展示」と銘打っているが、「システィーナ礼拝堂」、「スクロヴィーニれ礼拝堂」、「エル・グレコ祭壇衝立復元」などの環境空間ごとそのまま再現した立体展示である。これは他に例をみない。また、「最後の晩餐」(レオナルド・ダ・ヴィンチ)の修復前、修復後を同じ部屋に展示する試みもおもしろい。
まじめに観てまわると、およそ4時間かかるとのことだったが、ボランティアのガイドによるツアーについて見どころを解説付で鑑賞できたので、たいへん有難かった。なかなかユニークな施設で美術ファンは訪れてみる価値があると思う。