生きることの意味―ある少年のおいたち / 高史明 (著)

生きることの意味―ある少年のおいたち (ちくま文庫)
『生きることの意味―ある少年のおいたち』(高史明 著,ISBN:4480020349)を読了する。著者自身が在日朝鮮人二世として過ごした過酷な少年時代を振り返る。戦前の朝鮮統治などの時代背景にリアリティがある。周囲の優しい人たちに支えられて、次第に成長していくさまを過去を述べる形で語られる。本作品では敗戦したところで終わっているが、その後、著者がどのようにして小説を上梓するまでになったのか、その過程を辿ってみたい。
後年、著者の一子が自殺した後に発見された詩をまとめた『ぼくは12歳』(ISBN:4480020292)も話題になった。