「クビ!」論。- 梅森 浩一 (著)

「クビ!」論。
『「クビ!」論。』(梅森浩一ISBN:4022578491)を読了する。1000人の社員のクビを切り、「クビキラー」と恐れられた元外資系人事部長による体験談と今後の雇用環境についての提言である。外資といっても金融外資の一面として捉えるべきだ。これが、すべての外資企業のやり方とは思えない。とくに、人事がいきなりクビを通知するのは考えにくい、直属の上司が話をするのではないか。人事は所詮間接部門で、立場も弱いのではないか。後半の日本企業のリストラに問題が多いという点には概ね同意できる。また、日本でも今後、いやおうなしに労働力の流動化が進むことになるのだろう。文体は読みやすく、論旨も一貫しているので、一気に読むことができる。本書は、コンサルタント業を営む筆者の名刺代わりというところだろうか。