書店風雲録 - 田口久美子 (著)

kyamamoto2004-07-10


『書店風雲録』(ISBN:4860110293)を読了する。西武百貨店系の書店として誕生した「リブロ」の歴史を、社員の視点から綴った本だ。この本では、80年代、90年代に話題となった書籍や出版業界の事情に触れながら、「リブロ」の歴史を筆者の体験談や関係者の逸話を交えて紹介していて大変興味深い。リブロ関係者の博学ぶりにも舌を巻く。車谷長吉がセゾン関係者だったのは発見だった。
百貨店に美術館があった当時のリブロは輝いていたし、私にとってはなにか敷居の高いように感じていた。なにやらスノッブ向けの本屋だなぁ、と思って眺めていたのを思い出す。
それにしても、池袋が書店激戦区となっているのは面白い。ちっとも知的な雰囲気が感じられない場所柄だと思うのだが、どうしたものだろうか。本書に掲載されている池袋周辺の地図を眺めていると、地図に載っている芳林堂書店池袋店はもはやないことに気付く。時代の流れは速いものだ。