軟弱者の言い分 - 小谷野敦 (著)

軟弱者の言い分
『軟弱者の言い分』(ISBN:479496479X)を読了する。エッセイ集。筆者のミーハーぶりがよくわかる。好き嫌いがはっきりしており、辛辣な物言いが心地よい。特にうなずいたのは、野口悠紀雄の『「超」勉強法 』(ISBN:406264827X)での、英語勉強法を揶揄している部分だ。やはり、野口先生は超然たる存在だったのか。「好きな英語の本をさがして読む」という学習法は、東大卒の筆者をしても無理だと思わしめるようだ。少なくても一般読者向けではないよね。これを、さくさくできる人は勉強法はいらないだろう。
また、筆者は岸本葉子をひいきにしていることが、よくわかった。と、思ったら二人の対談の記事をみつけた。写真が笑える。
また、本書には、朝日新聞の書評に加筆したものが掲載されていて、加筆分に背景や落とした本が紹介されているのは参考になる。読後、筆者のコメントを見て、読んでみようと思った本が何冊かあったのも収穫であった。
で、フォントが大きな前書きをつぶさに読めば、私もきっと軟弱者だろう。