異邦人 / カミュ (著)

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)



を読了する。カミュの代表作。青年ムルソーの不条理な行動は私には理解できない。裁判で、殺人の動機を「太陽のせい」と答えているが、被害者はたまったものではない。マリイにもててるあたりは悔しいが、全編を通して鬱屈とした雰囲気のなかで、海岸での明るいシーンは開放的は印象的だ。コンパクトな作品だが、母の死、殺人、裁判、死刑制度と考えさせられることは多い。
余談ではあるが、本作品の舞台の1930年代に、フランスにギロチンによる死刑があったとは意外であった。調べてみると、フランス革命以来、1981年に死刑が廃止されるまでギロチンが使われていたらしい。刑死者の苦痛を軽減するために考案されたとのこと。