「超」整理日誌 (新潮文庫版)

「超」整理日誌 (新潮文庫)
「超」整理日誌 (野口悠紀雄著)(ISBN:4101256217)を読了する。
興味を惹いたのは、本体の日誌の部分より、巻末の「『風のナウシカ』に関する主観的一考察」というエッセイである。これによれば、『ナウシカ』は、トールキンの『指輪物語』、ワーグナーの『ニーベルンゲンの指環』に続く、第三の指環物語として解釈されており。さらに、話題はファンタジーや終末思想にまで及んでいる。深い知識に裏打ちされた濃い内容で一読の価値がある。『ナウシカ』のアニメ版とコミック版が大きく違っているのは知っており、コミック版は途中が難解で投げてしまったことがある。
実は、近年公開された映画『ロード・オブ・ザ・リング』を観て、『ナウシカ』に通じるものがあると感じていたが、このエッセイではその類似点を克明に捉えている。『ナウシカ』のコミック版にも再挑戦してみたい。
それにしても、著者が『ナウシカ』の愛読者であるとは意外であった。