激動の昭和史 軍閥(1970/東宝)

中野武蔵野ホールにて、『激動の昭和史 軍閥』(堀川弘通 監督)を鑑賞する。堀川弘通特集のなかの一本。『日本のいちばん長い日』につづく“激動の昭和史"シリーズ第二作。二・二六事件から原爆投下までの大東亜戦争の歴史を描く。東條英機小林桂樹山本五十六三船敏郎を配し、他にも平田昭彦加山雄三など東宝らしいキャスティング。ストーリは、史実に基づき坦々と進んでいくが、人間ドラマを十分描けていないのでドキュメンタリを観ているようだ。特攻隊員の「勝つ戦争ならやってもいいのか」という台詞が監督のやりたかったことだろうか。東宝お家芸の特撮も今日見るとほほえましい。
また、岸田森が軍部に反発する新聞記者を演じているのはマニアには見逃せない。東條英機は『大日本帝国』(1982/東映)の丹波哲郎が一番だと思う。