キル・ビル(2003/米)

品川プリンスシネマで、『キル・ビル』(クエンティン・タランティーノ監督)をレイトショウ鑑賞する。賛否両論あるだろうが、冒頭の「深作欣二監督に捧ぐ」というテロップの通り、深作監督へのオマージュ*1が各所にちりばめられている。
突っ込みどころは満載である。なぜか向こうの俳優までが日本語で台詞を語るのだがほんとにあやしい。同様に日本人俳優の英語もあちらでは、あやしく響くのだろうか。また、いくらなんでも日本刀*2を飛行機に持ち込めないだろう。千葉真一(Sonny Chiba)が沖縄のすし屋のオヤジというのはあんまりだ。実は刀匠なのだが、名前は服部半蔵だ。まったく粗略の扱いだ。是非、千葉ちゃんの立ち回りを披露して欲しかった。また、ルーシー・リューが人種差別発言をしたヤクザの首をはねて、英語でスピーチ*3するあたりがおもしろい。
全編通して、血まみれのスプラッタ・ムービーなので、苦手な人は避けたほうが無難だ。70年代の日本映画のテイストが好きな人は楽しめるだろう。エンド・ロールで「恨み節」(唄:梶芽衣子)がフル・コーラス流れたのには唖然とした(本当はうれしい)。続編であるVol.2に期待したい。

*1:たとえば『柳生一族の陰謀』の音楽がなかれるあたりが象徴的。

*2:映画のなかでは、Japanese steel と呼ばれていた。

*3:はじめはフォーマルなのだが、途中から言葉が汚くなるのが楽しい。