新幹線大爆破(1975/東映)

新幹線大爆破 [DVD]
自由が丘武蔵野館で、『新幹線大爆破』(佐藤純弥 監督)を鑑賞する。新幹線に一定速度以下に落ちると作動する爆発物を仕掛けるというアイディアはユニークだ。このアイディアは、後年、大型バスに置き換えて『スピード』でも採用されている。映画は些か長い、特に頻繁の挿入される過去を振り返る「人情話」は退屈で話のテンポを損なっている。また、話が縁起でもないので、当時の国鉄の協力は得られず、あまり上等とはいえない特撮で補填している。並走する新幹線からボンベを受け渡しするシーンはあまりにも荒唐無稽だろう。
出演者は、高倉健の存在感はもちろんだが、山本圭学生運動くずれの元・過激派役を好演している。新幹線の運転手が千葉真一なのだが、実際にはいそうもないタイプだ。他には、電話交換手に志穂美悦子、航空会社のカウンター嬢に多岐川裕美が配されており端役であるが見逃せない。冗長な「人情話」を省いたフランス語版もあるらしいので、それも是非一度観て見たい。