ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐(東宝/1960)

太平洋の嵐 [DVD]
中野武蔵野ホールで、『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』(松林宗恵監督)を鑑賞する。見どころは、なんといっても東宝オールスターだろう。円谷英二の特撮も楽しい。海軍で従軍経験のある監督によるリアリティのある作品となっている。史実どおり日本が惨敗するが、大本営は敗北が国民に知られるのを恐れ、これを隠蔽するため、生存者を外界から遮断する。ついには、彼らが南方の最前線の送られるラストはある意味シュールだ。ラスト近く、空母飛龍と運命をともにする指令と艦長が、「これからこんな墓場が太平洋に増えていくんでしょうな…」「もう増やしたくはないがなぁ…」と語りあう幻想上のシーンは印象的だ。
上映前に、松林宗恵監督と主演・夏木陽介によるトークショーがあり、撮影の裏話を披露してくれた。狙って行ったのではないので、思いがけない収穫であった。監督は上映終了後まで客席で鑑賞し、観客を見送ってくれた。