あゝ同期の桜(1967/東映)
新文芸坐で『あゝ同期の桜』(中島貞夫監督)を鑑賞する。冒頭「同期の桜」の男性コーラスがアカペラで流れて、思わず引き込まれる。毎日新聞社刊の海軍飛行予備学生十四期会編『あゝ同期の桜・帰らざる青春の手記』(ISBN:4769807139)を原作とし、海軍に身を投じ特攻にたおれた若き学徒兵の青春を描く。鶴田浩二、高倉健、松方弘樹、千葉真一といった豪華キャストは、さすがに華々しい。中島貞夫では、めずらしい戦記物であり、テーマから仕方ないが、娯楽性は乏しい。東映の特撮が拙いのはいただけない。
「同期の桜」 貴様と俺とは 同期の桜 同じ兵学校の 庭に咲く 咲いた花なら 散るのは覚悟 みごと散りましょ 国のため 貴様と俺とは 同期の桜 同じ兵学校の 庭に咲く 血肉分けたる 仲ではないが なぜか気が合うて 別れられぬ