煉獄エロイカ(1970/現代映画社=ATG)

ポレポレ東中野で『煉獄エロイカ』(監督: 吉田喜重)を鑑賞する。閑散としているかと思いきや、結構盛況だったので驚く。
映画は、難解過ぎて一度観ただけではついていけない。これが「知」というものか。くわぁ。以前、『告白的女優論』を観て、完全に置いてきぼりになったことを思い出す。あれから、少しは自分も成長しているかと思ったが、やはり凡夫には無理なのか。
ストーリーにはついていけなかったが、映像的には観るべきものがある。とくに、ロケ地やインテリアなどはすばらしい。狐目の女優は美しい。

監督の解説は以下のとおり。やはり難しい。

政治的なエロイカ(英雄)を目指しながら、宙吊りとなった英雄たちの煉獄状態。革命運動もまた、不毛な男性的な権力構造であり、それは時間と空間をも歪める。こうした不毛性に対しては、アクロバティックに軽々と時空を超えて、道化芝居的に振る舞うしかない。