ニート―フリーターでもなく失業者でもなく / 玄田有史 (著), 曲沼美恵 (著)

ニート―フリーターでもなく失業者でもなく

ニート―フリーターでもなく失業者でもなく



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ニート」が、単に怠け者ではなく、彼ら自身も現状を是としているのでないことも判った。が、こういった不就業者を抱えておけるだけの社会的および経済的な余裕をわが国では維持できないくなるだろう。早晩、彼らを取り巻く状況が悪化して、社会の負債という面が強調され、決して安穏としていられなくなる。追い詰められた彼らを見て、次の世代は「ミート」なるポジションに留まれなくなり、問題はさらに変質していくと予想する。
兵庫県富山県で実施している「14歳の社会体験」というのは、周囲の準備はたいへんな負担であろうが、なかなか有意義な取り組みであるように思えた。これで、ニートのような陥穽に陥る若者の何人かでも無難に社会に参加できれば、それに越したことない。
しかし、教育現場に期待するのは、このような地味は取り組みよりも、将来の社会をリードするような人材に育成であると思う。厳しいもの言いになるかもしれないが、「ミート予備軍」が就くような仕事は、海外からの労働力に、近いうちに置換されるだろう。労働市場も、グローバルに人材の流動化がさらn進む。もはや、日本の国内問題として捉えても、解決はおぼつかなくなっている。