静かな木 / 藤沢周平 (著)

静かな木 (新潮文庫)

静かな木 (新潮文庫)



読了。藤沢周平晩年の境地を伝える短編集。「岡安家の犬」「静かな木」「偉丈夫」の三篇。当時、犬を食する習慣があったというは意外であった。また、海坂藩には「海上藩(うなかみはん)」なる支藩があるというのも初耳であった。
巻末の立川談四楼の手による解説に興味深い記述を見つけた。藤沢周平ファンの脳裏には、架空の藩である海坂藩の地図があるのだという。それほど読み込んでいない私には、そんなものかなと思って読み過ごす。随分と藤沢作品には未読を残しているが、いずれそのような境地に達するものであろうか。