ドラマ・国盗り物語

昨日二日に一挙放送された『国盗り物語』を録画で観る。なんと10時間。こういった局面では、ハードディスク・レコーダーが真価を遺憾なく発揮する。テープの交換を一切気にしなくてもよいのが嬉しい。観る際も、つまらない通販のCMをどんどんスキップできるのもいい。
本作は、いうまでもなく司馬遼太郎の原作のドラマ化で過去に何度も映像化されている。斎藤道三織田信長明智光秀の3人の男の物語をダイナミックに描くといったストーリーだ。
さて、今回のドラマだが、道三(北大路欣也)の時代は彼の重厚な演技で安心して見ていられたが、彼の歿後となると状況は一変する。信長(伊藤英明)とその正室濃姫(菊川怜)の二人のかけあいとなると、かなりお寒い。この二人で夫婦愛を演出しようした時点で無謀なキャスティングと言っていいだろう。
光秀役の渡部篤郎が意外によい。文武に長けた智将の雰囲気がよく出ているように思えた。ただ戦国武将にしては体躯が貧弱かもしれない。鎧を着た武者姿では問題ない。しっかり乗馬もこなしていた様子で頑張っていた様子だ。他の出演者では、道三の側室・深芳野を演じた鈴木杏樹が印象に残る。単に贔屓ということもあるが実に美しい。
ストーリーは過去何度も読んだり観たりしているもので、目新しいものはないが、「本能寺の変」にはいつも考えさせられる。何が光秀を決断させたのか。今年は光秀関連の書でも手にとってみようかとも思う。手軽なところでは、『明智光秀―つくられた「謀反人」』(ISBN:456960109X)、『明智光秀』(ISBN:4167230240)あたりであろうか。