負け犬の遠吠え / 酒井順子 (著)

負け犬の遠吠え

負け犬の遠吠え



図書館でやっと予約の順番がまわってきた。借りてきて一気に読了する。さすがにベストセラー。おもしろい。
30代以上・未婚・子ナシは「女の負け犬」というフレーズは、テレビドラマ化されるほどのブレイクぶり。これを読んでから、私も電車の乗客を、よく観察するようになった。スーツ姿で日経新聞を読む女性の指輪をチェックするという毎日だ。
あまり目立たないが、短いコラム「オスの負け犬」が気になった。ここで、オスの負け犬を取り上げ、これを次のように分類している。

  1. あまり生身の女性には興味の無い人
  2. 女性に興味があるけれど、責任を負うのは嫌な人
  3. 女性に興味があるけれど、負け犬には興味の無い人
  4. 女性に興味があるけれど、全くモテない人
  5. 女性に興味があるけれど、単にダメな人

それぞれについて解説していて、なかなか蘊蓄があると思うのだが、やっぱり「メスの負け犬」の裏返しは「オスの負け犬」であるというのは、まったく正しいだろう。オス犬にもフォーカスするようなエッセイも期待したい。本書のメスは純粋で「高」なヒト、オスはダメダメで欠陥持ちという論調は偏見でいかがなものか。ただ、当ってるかもと感じるのもまた事実。