ヨーロッパ退屈日記 / 伊丹十三 (著)

ヨーロッパ退屈日記 (文春文庫 131-3)

ヨーロッパ退屈日記 (文春文庫 131-3)

読了。映画監督として活躍する以前、ヨーロッパ各地を旅行した際の旅行記。オリジナルは40年前なので、街の情報などは既に移り変わっていて、そのまま役にたつものではないが、エッセイとしては大変面白い。全体のトーンとしては、欧州を賛美するといったところか。欧州から帰ってくると、日本の街並みをみて憂鬱になるのは、今日もあまり変わらない。日本の街並みは、なぜに猥雑なのだろうかと思うことしきり。
既に著者は物故者であるが、今日のアメリカ主導でグローバル化する社会を見たならば、何を思うだろうか。
余談だが、湯川秀樹と机を並べていたとは凄い…。
また、今回読んだのは、古い文春文庫だったが、最近、新潮文庫(ISBN:4101167311)で復刻されたようだ。