ブルークリスマス(1978/東宝)

新文芸坐で『ブルークリスマス』(監督:岡本喜八)を鑑賞する。前々から観たいと思っていた作品。
UFOに遭遇した人々の血液が青色に変化する事件が各地で発生。彼らは、外見上は他者と変わりなく、何ら害をなすものでもない。しかし、政府は(なぜか)米軍と共同で青い血液の人の摘発し、抹殺作戦が世界規模で実施されることに…。
一見、荒唐無稽なSFであるが、意外と深みのあるテーマだ。国家権力、マスコミ、大衆が形成する差別意識が背景にある和製社会派SF。結構内容はハードだが、UFOの絡みが中途半端なのは、着眼点がおもしろいだけに惜しいかも。また、世紀末物語としての悲壮感に欠けるのも残念。勝野洋竹下景子カップルが時代を感じさせる。バージンのシーツの血痕が…。とは、いくらなんでも陳腐だろ。
ちなみに、脚本は倉本聰