大悪党(1968/大映)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『大悪党』(増村保造監督)を鑑賞する。なんと「緑魔子伝説」なる特集上映である。いかにもラピュタらしい。


緑魔子の妖しい魅力全快!魔子扮する女子学生の芳子は、ヤクザに犯され、監禁された挙げ句売春を強要される。彼女に救いの手を差し伸べたのは、ヤクザ以上の悪徳弁護士だった…。残酷な物語展開の中、迫真迫る法廷シーンや、逆転劇が痛快。大悪党とは一体…?
(チラシより)

悪徳弁護士に田宮二郎、やくざに佐藤慶、検事に北村和夫、マネージャに内田朝雄という男性陣に、東映緑魔子が絡むというなかなか豪華なキャスト。推理モノとしては、ネタがお粗末だが、映画自体はテンポがよく楽しめる。「一事不再理」つまり「既に確定判決を受けた同一の事件について再び控訴を認めないということ。 」がオチとなっていて、ちょっと違うが DOUBLE JEOPARDYを彷彿とさせる。これは一度は服役しているわけだが。
出演者では、田宮二郎の日本人ばなれしたニヒルな演技がすばらしい。緑魔子の体当たりの演技(?)もファンにはみどころか。フィルムシステムの末期に咲いた仇花だろうか。