座頭市血笑旅(1964/大映)

新文芸坐で、『座頭市血笑旅』(三隅研次 監督)を鑑賞する。「勝新太郎映画祭」の中の一本。シリーズ第8作。今回は成り行きで、赤子連れの道中となる。市に対抗できる敵は登場しないものの、赤子がハンデとなって緊張感が増す。おしめを代えながらも敵を一蹴してしまう超人ぶり。途中、賭博場で「賽の音が変わりましたね」といかさまを見破り、居合一閃で賽を真っ二つにするシーンはシビレル。やはり、座頭市には鉄火場のシーンが欠かせない。ラストは松明の炎による音で感覚を狂わされ苦戦するが、かろうじて敵を切り伏せる。市の着衣も燃えてしまうというガチンコの立ち回りだ。子連れというのは、「子連れ狼」などでこれまでになかった設定ではないが、人情も絡んで話に膨らみができる。和尚役の加藤嘉がしぶい。