曽根崎心中(1978/行動社、他)

新文芸坐で『曽根崎心中』(増村保造監督)を鑑賞する。有名な近松門左衛門原作を、大映出身の増村保造がATGで映像化。梶芽衣子の心中相手は、宇崎竜童が演じており、音楽もダウンタウン・ブギウギ・バンドの演奏が効果をあげている。梶芽衣子の「さそり」「修羅雪姫」のイメージを払拭した演技がずばらしい。監督に相当鍛えられたのだろうか。

全編を通して、同じ意味を繰り返す文語調の台詞まわしが特徴だ。他には油屋九平次役の橋本功の憎たらしさが秀逸だ。ラストの血まみれの心中シーンは壮絶だ。