愛と希望の街(1959/松竹)

シネマアートン下北沢で『愛と希望の街』(監督:大島渚)を鑑賞する。特集上映 『少年エネルギー』の一本。弱冠27歳で監督に抜擢された大島渚監督の記念すべきデビュー作。
貧しい靴磨きの息子と大企業の重役の娘が、鳩の売買を通して友情を育むが、これは鳩の帰巣本能を利用して何度も同じ鳩を売るという詐欺まがいの商売であった。これが少年の就職試験で明るみになり、二人は訣別する。いわゆる階級闘争を示唆した映画であり、当時の時代背景が窺える。ブルジョア娘が不美人なのは監督の趣味か。最後で鳩は撃たれたのだろうか、気になる。それにしても、ブルジョア娘のとんだ偽善ぶり。愛も希望もない救いようのない結末。