激動の昭和史 沖縄決戦 (1971/東宝)

浅草東宝のオールナイトで、『激動の昭和史 沖縄決戦』(監督:岡本喜八)を鑑賞する。沖縄戦の全容を余すことなく描く。これでもかというほどの夥しい惨劇をテンポよく画面に現れる。上層部だけではなく、庶民を細かく描いているのが特徴だろうか。
当然、脚色があるだろうが、本作を観ると沖縄県民が本土に対して只ならぬ感情を抱くのもわかる気がする。もっと怒ってもいいのではないか。本土決戦を控え、戦力を温存する為に沖縄はついに見棄てられる。大本営では、台湾、朝鮮と同様に植民地程度にしか考えていなかったのだろう。
沖縄戦作戦の立案者であった八原高級参謀(仲代達矢)は、軍も命令により島民に化けて脱出を図るが米軍に見つかり収容所に入れられる。その後、軍幹部であることが発覚して逮捕され、終戦後本土に帰還することになる。おめおめ生き残った彼の心中はいかばかりだったろうか。