新潮 2004.2

車谷長吉の俳句盗作騒ぎで、氏が「新潮」に寄稿していたのを教えてもらいバックナンバーを手にした。「ぼんくら ― お詫びと訂正」という文章だ。確かに俳句は似ており、氏は若い頃読んだものが無意識に表れたとして謙虚にわびている。俳句の類では、そういうこともあるかもしれないな、と思ったが驚いたのは、文書の終わでの、盗作を指摘した者の対する物言いだ。メジャーな文芸誌上で、市井の者に対し随分と厳しくあたるのは、いかがなものだろう。
また、この号には、鷺沢萠のの短編「眼鏡越しの空」が収録されていた。在日問題を扱ったものだが、あまり重くなく気軽に読める。この短編は『ビューティフル・ネーム』(ISBN:4103780061)に収録されているとのこと。