陸軍中野学校(1966/大映)

シネスイッチ銀座で『陸軍中野学校』(監督:増村保造)を鑑賞する。市川雷蔵映画祭 「艶麗」のなかの一本。陸軍中野学校シリーズの第一作。
実在したスパイ養成施設を舞台にした異色作。現代劇での市川雷蔵は、馴染みがなくちょっと違和感を感じるが、セリフまわしで、彼と判るから不思議だ。中野学校のスパイ養成課程は、それなりにおもしろい。ストーリーはありきたりで、ラストの落ちが途中で読めてしまうが、スパイの非情さがよく出ていてまずまずだろう。
中野学校創始者の草薙中佐を加東大介(東宝)が演じているのが印象的。シリアスな演技をしていても、どこかユーモラスだ。フィアンセの小川真由美も素敵だ。
この作品は、構図や音楽などから、増村作品の特徴がよく出ているように思う。