生きる(1952/東宝)

生きる [DVD]
新文芸坐で『生きる』(監督:黒澤明)を鑑賞する。特集「世界の巨匠 黒澤明」の一本。
何度も観た作品だが、まあ人間の尊厳を高らかにうたい上げたヒューマン・ドラマには違いない。若い頃観たのときとは、ちょっと違う思いが去来した。歳をとったということか。
全体として過剰でくどいと感じることもあるが、脚本の出来が出色だ。特に、主人公が死後、葬儀の場でのやりとりがいい。志村喬の名演と云われるが、実際の年よりも老けた役を声をくぐもらせて表現するのはいただけない。聞き取りくく観ているほうが疲れてしまった。
それにしても、「役所仕事」というが、半世紀を経た今日においても、役所の非効率な仕事ぶりはいまも残っており、皮肉にも今日でもそのままリメークできそうだ。行政改革とやらはどうなっているのか。