千羽鶴(1969/大映)

ユーロスペースで『千羽鶴*1』(増村保造監督)を鑑賞する。「特集上映 増村保造若尾文子」のいよいよラストであり、20作を数える若尾・増村のコンビ最後の作品でもある。これは、川端康成原作の小説の映画化だが、ラストは続編への含みを残した結末となっており、続きが大変気になる。とにかく太田婦人・若尾の色情狂ぶりが凄い、挙句に薬物自殺…。主人公の平幹二朗*2はちょっと重たいかもしれない。全編、「茶道」が重要な役割を果たしており、茶器などその方面の知識があると、さらに楽しめるのだろう。
ちなみに、川端は『千羽鶴』の続編『波千鳥』を著しているが、これは未完となっている。なにやら鞄ごと取材ノートを紛失したからだそうだ。いやはや。

*1:千羽鶴 / http://www.jmdb.ne.jp/1969/cs001320.htm

*2:当初、市川雷蔵主演で映画化が決まったが、彼の急逝により平幹二郎が抜擢される。