潜水艦イ-57降伏せず(1959/東宝)

浅草東宝で『潜水艦イ-57降伏せず*1』(松林宗恵*2監督)を鑑賞する。太平洋戦争末期、和平工作の為、某国外交官父娘をスペイン領カナリー諸島まで輸送するという任務を受けた潜水艦の多難な航海を描く。艦長は池部良であまりらしくないが、軍医長は平田昭彦で結構はまり役だ。潜水艦のなかで水浴びしたいとわがまま放題の外交官の娘のエピソードをはじめ閉塞した空間での人間ドラマはなかなか興味深い。そもそも潜水艦映画が好きなのだ。ラストはタイトルのとおり、非戦闘員の二人を降ろした後、敵艦と交戦、最後は敵艦に体当たりして沈没する。なかなか、含蓄のあるタイトルである。

*1:http://www.jmdb.ne.jp/1968/cr002220.htm

*2:以前、中野武蔵野ホールでの特集上映の時に、トークショウで話を伺ったことがある。旧海軍で従軍経験があり、東宝でこの他にも『連合艦隊』などの戦争映画を監督している。