宇宙戦争(2005/米)

ユナイテッド・シネマとしまえんで『宇宙戦争』(監督: スティーブン・スピルバーグ)を観る。
舞台はアメリカ東部。稲光とともに、地底から巨大ロボットが現れる。地球より進んだ科学力を有する異星人が操る兵器(トライポッド)が破壊の限りを尽くす。
SFというようりも、パニック映画やホラー映画といった類の作品だ。確かに映像に迫力はあるが、異星人の知性が全く感じられないのが不満だ。長い間、地球を調査した後での、侵略のはずなのに、最後にトライポッドが動けなくなるというのも納得できない。
また、徹底して、港湾労働者のトム・クルーズの周辺を描いているので、地球側も政府関係者や科学者が登場しないのもつまらない。
それにしても、トム・クルーズ演じるレイの娘が煩い。
ちょっと期待はずれだった。H.G.ウェルズの原作からの邦題もちょっと違和感あり。

(秘)ハネムーン 暴行列車 (1977/日活)

ラピュタ阿佐ヶ谷で『(秘)ハネムーン 暴行列車』(監督:長谷部安春)を観る。
ロマンポルノ。主演女優は八城夏子。
披露宴に強盗に押し入った二人組が、花嫁を拉致して貨物列車で逃亡する話。やたらと発砲する警官。ラスト、犯人は警官に射殺される。各所にアメリカン・ニューシネマのプロットが窺える。

妻(1953/東宝)

新文芸坐で『妻』(監督: 成瀬巳喜男)を観る。「名匠 成瀬巳喜男の世界」のなかの一本。
上原謙高峰三枝子が、結婚して十数年が経たあまりうまくいっていない夫婦を演じる。あまり有名な作品ではないが、二人の持ち味がよく出ていてなかなかの佳作。
三國連太郎が、二人の家に下宿する調子のいい美大生を好演。

とべない沈黙 (1966/日本映画新社)

とべない沈黙 [DVD]
岩波ホールで『とばない沈黙』(監督: 黒木和雄)を鑑賞する。「黒木和雄監督 戦争レクイエム」の一本。
黒木和雄監督デビュー作。北海道の少年が、南方でしか生息しない蝶を捕らえる。蝶の幼虫が日本を横断(途中、なぜか香港に飛ぶのだが)する様子を観念的な映像で描く映像詩。
各地で登場する少女・加賀まり子が美しい。

陸軍中野学校 開戦前夜 (1968/大映)

銀座シネパトスで『陸軍中野学校 開戦前夜 』(監督: 井上昭)を観る。客はは半分ぐらいの入り。市川雷蔵主演の「陸軍中野学校シリーズ」五部作の最終作。日米開戦前のスパイの暗躍を描く。
シンプルで軽快な演出を了としたい。市川雷蔵がスーツを着ると、普通の人。
劇中、ワインを注文するとき、「ワインひとつ」というセリフがあったが、せめて赤、白、ロゼぐらい指定しないと注文できないだろと、細かいところが気になった。

戦国自衛隊1549 (2005/東宝)

ユナイテッド・シネマとしまえんで『戦国自衛隊1549』(監督: 手塚昌明)を観る。千葉真一主演『戦国自衛隊』(1979)のリメイク。
不完全燃焼。タイムパラドックスものに付きものの都合主義のストーリー展開はよいとして、どうせ娯楽大作なのだから、もっとメチャメチャにやってほしかったな。戦車で騎馬軍団を蹴散らすとか、武装ヘリで城を吹き飛ばすなどの派手な画がみたかった。局地的な城(なんと製油所付き!)の攻防に終始しているのが惜しい。また、偽・信長の「富士山と爆破して新しい日本を作りなおす」という発想にもどうも共感できない。
以前、コミックで『続 戦国自衛隊』というのを読んだことがある。これは、自衛隊と米・海兵隊が対決するというストーリだが、これの方が断然面白い。どうせなら、こちらを映画化して欲しかった。
伊武雅刀北村一輝は期待どおりに魅せてくれる。鈴木京香は制服が似合うのだが、どうもオバサンぽい。素に近いメイクだったからか。鹿島丈史に捕まったとき、もっときつく縛り上げられるとよかったかも(笑)。
せっかくリメイクするなら、もっとうまくできたはずだ。もったいない。

レイプ25時 暴姦 (1977/日活)

ラピュタ阿佐ヶ谷で『レイプ25時 暴姦』(監督: 長谷部安春)を観た。「桂千穂の危ない悦楽映画図鑑」のなかの一本。
ロマンポルノ。主演女優は山科ゆりだが、ホモのヤクザが登場するなど、ハードボイルド風の変な話。羽まくらが破れて羽根が舞うなか(多すぎ!)のラブシーンが印象に残る。
山科ゆりは、バレリーナという設定なのだが、当時は萌えの職業だったのか。